私は偽りの眠りを演じたまま、自らを慰める妻の行為を確かめようとしました。
秘部を這う密かな指先の動きが、彼女の体を内側から弄びます。微かに唇を震わせる甘い悶えが、罪深い背徳に塗れた昂ぶりとなって私の耳元にまとわります。
込み上げる火照りに身を焦がし、束の間の満たしを求める由香里の行為は、夫である私にとってあまりにも残酷なものでした。
由香里は今、岩崎に愛されているんだ…
夫である私の隣で、目に見えない男の反り返った肉茎で膣奥を愛されているんだ…
妻の乳房と秘部の割れ目を這う指の動きが次第に早まります。
私は自らの体を縛り付ける焦燥から逃れようと、寝返りを装いながら体を動かしました。一瞬、妻は自慰の指先を止め、息を潜めます。
夫である私の存在が邪魔なのか…
それ程までに、あの男が恋しいのか…
由香里が岩崎の一夜妻となった日、同じ部屋の傍らで見つめた二人の姿が蘇ります。
今の私に出来ることは、自分自身の存在を消し去ることだけ…
由香里が描く夢想の場面が、彼女の満たされない心の隙間を癒すのを願うことだけ…
妻は私に背を向け、息を静めて再び密かな行為を続けました。
彼女の艶かしい体温が、私の体を真綿のように包み込みます。喉の渇きから逃れようと、私は口を開けて深い呼吸を繰り返しました。
背徳と不貞の夢想の中で岩崎が由香里に重なり、狂おしい茎の突き出た下腹部を揺り動かします。深く抉れた溝が周りを囲む亀頭の先で、私の精が残る膣壁を幾度もなぞっているのです。
由香里 私の傍らにいながら、幻の中の岩崎が欲しいのか…
あの男から迸る熱い精を体の奥に欲しいのか…
妻は小高い昂ぶりを幾度か経たのち、眩い恍惚の兆しへと招き寄せられました。それまでの指の動きが固まり、私に向けた小さな肩が小刻みに震えます。降り注ぐ悦楽の光を浴びながら、由香里は自らを拘束する呪縛に逆らうように体を反らしました。
男の硬直した茎から放たれる吐精の脈動と温もりを求める妻…
子宮で浴びる熱い精の飛沫を想いながら、罪深い幻想の極みに酔いしれる妻…
自慰が誘う快楽の果てへ由香里を導いたのは、淫らに這いずる彼女の指先ではありません。夢想の中で妻自身が想い描いた岩崎の姿なのです。
密かな自慰を終えた由香里の体から、淫らな温もりがゆっくりと消え去ります。
妻は押し殺した昂ぶりが鎮まるのを待ってから、音をたてないように枕元のテイッシュを手に取ると、愛液に濡れた秘部に重ねました。
夫婦が夜を共にする寝室の中で、息を潜めながら他人の吐精を乞い願う由香里の行為は、私への裏切りなのでしょうか。
そして、それは私にとって、新たに手にした望外の理想なのでしょうか。
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