あの日の後も、由香里と岩崎が何回かメールのやり取りをしていることは、既に妻から聞いています。むしろ、私の方からそうするよう由香里に言ったのです。
私から隠れて二人の関係が深まることへの恐れ…
岩崎の見えない「支配」に対する、せめてもの反逆…
理由は二つや三つではありません。私の心の奥で、いくつもの想いが混ざり合った中でのことです。
私は由香里が交わすメールを隠れて読んだりはしませんでが、内容については私に告白することが約束事でした。
結果として、それは由香里にとってかなりの重圧だったかも知れません。
私に伝え漏れていたことがあった場合、意図して隠したと受け止められかねないからです。
ある夜、寝室のベットの上で由香里を抱き寄せた時のことです。
「私と二人だけで逢いたいって… 岩崎さんが…」
それは由香里にとって、私との約束を忠実に守った上での「告白」でした。
思い詰めたような妻の表情は、自らが口にした罪深い告白に対する負い目からなのでしょうか。
それとも、二人だけで逢うことが岩崎からの求めだけでなく、妻自身の願いでもあるからでしょうか。
「由香里は何て返事したの? 」
私は心の動揺を隠しながら妻を抱き締め、そのまま彼女に聞き返すことが精一杯でした。
「それは出来ないって断ったの… 貴方の願いを叶えるために、貴方がいる前で抱かれることが元々の理由だから…」
夫のために…
今までのことは全部、私の求めを叶えるために…
それは由香里にとって、罪から逃れる唯一の言い訳なのかも知れません。夫の願望を遂げるために、背徳にまみれた不貞行為を受け入れたのだと、自分自身に言い聞かせる他はないのでしょう。
妻も私と同じように、言葉に出来ない程の葛藤と迷いを抱えている筈なのです。
由香里の正直な気持ちは…
岩崎と二人で逢いたいのか…
私はその問いかけを口の中に押し込み、妻に許しを告げたのです。
「二人だけで逢ってもいいよ… 今度は由香里が自分のために岩崎に抱かれて欲しいんだ…」
妻は戸惑いながら私を見つめました。
並んでベットに横たわる彼女の体から、次第に早まる微かな鼓動が伝わってきます。
「あの日から、ずっと由香里を取り返すことばかり思ってた… だけど、それは由香里の心を疑っているからじゃないよ…」
自分自身の心すら整理出来ていない私は、途中で言葉を詰まらせてしまいました。
「岩崎に抱かれてから、由香里はさらに美しくなったよ… 胸が押し潰されそうなくらい美しくしい理想の妻なんだ…」
私の中に、岩崎と二人だけで愛し合う妻の姿が浮かびます。
いつの間にか下腹部は強張り、狂おしい火照りが肉茎の奥から込み上げます。私は由香里の手を取り、その硬直した固まりを握らせました。
「今、由香里と岩崎が一緒にホテルに入っていく姿が目に浮かんだよ… きっと、離れた場所にいても、由香里を想うだけで胸が高鳴る筈だよ…」
それは、私の手から放れて他人の一夜妻となる彼女につのらせる情愛の告白でした。
岩崎の精によって、今まで以上に美しく染まりゆく由香里に狂おしい恋がしたい…
心が震える程に切ない妻への恋に身悶えたい…
由香里の表情は私にとって意外なものでした。彼女は俯くように顔を隠し、辛そうな声で私に打ち明けたのです。
「貴方がきっと承諾する筈だって、岩崎さんが自信有りげに言ってたの… 何故って聞いたら、貴方の心がどう揺れるか自分のことのように判るからって…」
一瞬、寝室の中を流れる時間が止まりました。
岩崎は私の全てを見透かし、心の内側を手に取るように操っているのでしょうか。
それとも、愛する妻を寝取られる魔性の悦びに魅せられた私を、さらにその奥へと導こうとしているのでしょうか。
どちらでも構わない…
私にとって由香里は誰よりも愛おしい理想の妻…
彼によって妻の美しさが更に際立つのなら、それが私の欲しがっている禁忌の望みの筈…
「由香里… 見て… 顔を近づけてよく見て…」
私は下腹部を露わにすると、反り返る肉茎を妻の前に突き出しました。
岩崎の腕に抱かれる由香里の姿に心を昂らせ、あの逞しい茎を包み込む彼女の膣奥に熱い嫉妬が込み上げます。
妻の顔が下腹部にゆっくりと近づき、艶かしい唇が濡れた亀頭に重なりました。這いずる舌先が先走る粘液を舐め取り、やがて喉の奥へと肉茎が沈んでいったのです。
岩崎も身を震わせた由香里の愛おしい口内…
何人かの元彼達も、この柔らかな舌に包まれながら精を迸らせたんだ…
白濁液の脈動を誘う生暖かな至福に浸り、恍惚の中で果てたんだ…
美しい色の艶に濡れた由香里の舌は、どれだけの吐精に汚されてきたのでしょう。彼達の想いと欲望が溶け込んだ精の芳香に、男に愛される恍惚の至福を感じ取っていたのでしょうか。
夫でありながら、思い描く妻の淫らな姿に心が掻き毟られます。
私は唾液に浸る亀頭を絡みつく舌から引き離すと、妻の上に体を重ねました。
「由香里… 目を閉じて岩崎を想い浮かべて… 岩崎と二人きりだって…」
妻の下着を剥ぎ取り、美しい線の脚を開かせました。彼女の細長い指が、淡い暖色の灯りを拒むように秘部を隠します。
岩崎を求め、指先であの夜を忍びながら自慰の愛液に溺れた秘部…
他の男に愛された膣奥をなぞり、熱い息を秘めたまま幾度も極みに達した妻…
あの夜、由香里は夫婦が愛し合うベットの上で、他人の岩崎と夢想の自慰に浸っていたのです。私の中に潜むもう一人の自分が、妻の背信行為に対する理不尽な仕打ちを誘いかけます。それは由香里が想い描いた罪深い場面を、彼女自身が私の前で蘇らせることでした。
私は仰向けになると、体の上に由香里を跨らせました。そして彼女に対し、突き立つ夫の勃起を岩崎の茎と思いながら、自分の体を貫くように命じたのです。
「由香里… 目を閉じて… 絶対に開けちゃだめだよ… 今、手を添えている勃起が岩崎のものだと思うんだ…」
妻は無言のまま私に服従すると、突き立つ強張りに指を這わせ、茎の硬直を増すための快楽を与えます。
目を閉じたまま顔を上に向け、夫である私の肉茎に愛おしい男の面影を重ねながら、眩い一瞬を待ちわびるように体を反らしました。
「そう… それでいいんだよ… 岩崎の姿が浮かび上がったら、由香里が自分で中に挿れるんだ…」
妻は腰を浮かせ、滴に濡れた膣口に肉茎の先端を重ね合わせました。自分の愛液でゆっくりと亀頭に潤いを与え、陰核に触れ合うように襞をなぞります。
騎上位のまま下腹部を浮かせる由香里の両脚からゆっくりと力が抜け、膣口に押しあてられた亀頭を襞が包み込みます。体を仰け反らし、岩崎を想いながら秘奥へと肉茎を導く妻の姿は、例えようのない不貞の美しさに包まれていたのです。
私の硬直した勃起を、岩崎を想い描く自慰の快楽を昂らせる性具として使って構わない…
淫らな罪を懺悔しながら、真上に突き立つ生身のディルドで眩い極みに浸って欲しい…
妻の唇から小さな声の身悶えが漏れ堕ちます。それは、堪えようとする口元の隙間から垂れ流れる、淡い官能の啜り泣きのようでした。
私も由香里と同じように目を閉じ、彼女と岩崎が結ばれ合った伊豆での夜を瞼の中に手繰り寄せたのです。
時間にすれば、それは僅かな一瞬だったのかも知れません。由香里の導く艶かしい秘奥へと亀頭が達する恍惚の悦楽を、私達は熱い息に混じった身悶えの声を漏らしながら分かち合いました。
それは決して夫婦として行ってはならない禁断のセックスでもあったのです。
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