岩崎は妻の首筋から胸へと舌を這わせます。まるで由香里の高鳴る鼓動を確かめるかのように顔をうずめ、息を喉に押し込めながら乳房をゆっくりと味わっているのです。
自分自身の精液を注いだ他人の妻を、岩崎はどのような思いで再び抱きしめているのでしょうか。
由香里は仰向けのまま枕に頭を押し付け、喘ぎの声を呑み込んだまま、美しい肌の全てを岩崎に差し出します。
由香里… そうまでして夫である私の存在が邪魔なのか…
いっそ淫らな悶えを漏らしてくれた方が、この惨めさから救われるのに…
それは無痛の拷問とも言える艶かしい光景でした。
手を伸ばせば届きそうな傍らに妻がいるのに、私は身動きをすることすら出来ずに、二人の行為を目を薄く開けながら見つめていたのです。
疎外と焦燥に身を捩らせ、二人の混じり合う息の気配を感じながら、私は生唾を呑み込みました。胸の鼓動は意思とは切り離されたかのように、無情の高鳴りを繰り返しています。
狂おしい嫉妬の呵責に苛まれながら、それでも尚、私の願望は淫らで美しい妻を追い求めているのです。
彼女は、私の目から逃れられていると信じているからこそ、自身の中に埋もれた欲望の昂ぶりを岩崎に晒すことが出来るのでしょう。由香里が奥底に秘め続けた淫らな願いを暗がりの中で見届けることが、存在を消し去った私に出来る唯一つの行為でもあるのです。
由香里… 何度も心ゆくまで他人に身を任せて構わない…
他人の一夜妻になった由香里の姿を、その傍らで心を掻き毟られながら愛したいんだ…
私は布団の中で手を自分の下腹部に添え、狂おしく服れ上がった茎を握りしめました。
息を押し殺したままその手を動かし、愛おしい妻の姿を見つめたのです。
自虐と卑屈が交錯する魔性の快楽が全身を包み込みます。
岩崎は布団から上半身だけを晒したまま由香里の上に体を重ねると、口を大きく開いてゆっくりと下腹部を突き上げます。妻は反射的に体を反らし、膣を貫く肉茎の火照りを迎え入れたのです。
二人の口元から零れる深く艶かしい吐息が漆黒の闇へと溶け込みます。螺旋のように絡み合う熱い呼吸が、傍らで耐える私の耳元をいたぶるのです。
暗がりに包まれた部屋の中で私は目を見開き、交わり合う二人が繰り返す淫らな動きを見つめたのでした。
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