私は由香里に気付かれないように深呼吸をして、渇いた息遣いを静めました。妻が帰る前から、彼女と岩崎が二人で過ごした時の中で起きた出来事を覚悟していました。むしろ私自身がそれを願い、幾度もその場面を想い浮かべては身悶え、妻に向けた倒錯した情愛をつのらせていたのです。
妻を通して手にした岩崎からの証は、冷酷なまでの現実とともに、目にすることの出来なかった淫らで美しい妻の姿への憧憬を駆り立てました。
由香里自身の言葉で聞きたい…
今夜、どのように岩崎に抱かれ、愛されたのか…
その時、一人で妻を待つ夫に対して何を想ったのか…
私は抜け殻のような足を引きずり、寝室の入り口から妻を見つめました。
彼女は着替えを終わり、ドレッサーの前に座って身を整えていたのです。鏡を通して私と由香里の目が合いました。彼女が家に帰ってから、これでやっと二度目のことです。
私は手に持ったままの小物入れをベッドの枕元に置き、由香里の側に歩み寄りました。彼女の背後から腕を回し、着衣の上から乳房の膨らみに手を重ねたのです。首筋から漂うほのかな香りが、擦り切れた心を慰めます。胸や腰の輪郭に沿って手を這わせながら、消え入りそうな声で妻に訴えかけました。
由香里… 待っている間は辛かったけど嬉しかった…
嬉しかったけど切なかった…
由香里が何をしてるかを想い浮かべて、自分の手で自分を慰めてたんだ…
妻は私の告白を聞きながら、何度も小さく頷きました。それは、刹那の想いで妻を待ち続けた夫への慰めなのか、それとも自分が犯した不貞への贖罪なのかは分かりません。
もしかしたら、他人に抱かれ、男の欲望を受け入れた自分の姿を夫に晒す苦痛から逃れるために、その場を取り繕おうとしているのかも知れません。
だとしたら、それこそが私に対する最も卑怯な裏切りなのです。
由香里… 今度は由香里が告白する番だよ…
それを逃れようなんて卑怯じゃないか…
罪の上に、更に重い罪を重ねることになるんだよ…
手伝ってあげる…
罪を償う懺悔を手伝ってあげるよ…
私は妻の背中に手を回し、強く抱きしめたまま唇を重ねました。舌先で隙間をこじ開け、彼女の舌に自分のを絡めながら、由香里と岩崎が二人だけで過ごした今夜の出来事を想い浮かべたのです。
この舌が岩崎の茎を何度も這いずって吐精へと導いたんだ…
この愛おしい口内に岩崎の精液が脈打つように注がれたんだ…
ああ… この淫らな罪深い舌で私の茎を慰めて欲しい…
あの男よりも夫を愛してるって感じたまま迸りを受け止めて欲しい…
心の中に、妻の罪を辱しめる数々の言葉がよぎります。夫以外の男と肌を重ね合う夜を過ごした不貞の罪… 妻でありながら他人と淫らな行為をした女… それらの言葉ひとつひとつが私の脈拍を早め、由香里を待ち焦がれて渇ききった心への償いを訴えかけるのです。
これは由香里のためなんだ…
一人で抱えた罪を償うために、夫である私が助けてあげるから…
私は妻を抱きしめたまま、脇にあるベッドへと横たえました。
今夜の出来事を企てた私に対して、彼女が再びこの家に迎え入れられるための懺悔を行わせるためです。
そして、どのように他の男と愛し合ったかを言葉ではなく、男に躾けられた口淫によって告白することだけが、妻が私から許される唯一の方法なのです。
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