私は妻のいるバスルームの扉を開けました。眠りから醒めたばかりの私には、中の光が眩しい程です。
妻は私と目が合うと小さく頷き、傍らのボディソープを手にとりました。
向き合ったまま体を合わせ、彼女の泡立った手が私の胸をなぞるのを見つめました。
妻の体に付いたシャワーの滴が弾けるように流れ落ち、繊細な肌を美しく光らせます。
他人が愛した痕跡は消え失せ、いつもの由香里の香りが漂います。
「由香里… 綺麗だよ… 綺麗だ…」
私にはそれ以外の言葉が浮かびませんでした。
不意の言葉に、妻は笑みを浮かべて目線を下に向けました。
「本当だよ… 本当だから…」
「ありがとう…」
そのまま唇を重ね合わせ、妻を抱きしめたのです。
泡の付いた彼女の手が下腹部の茎に添えられます。快楽を与えるためよりも、私を慈しむような指の動きです。
妻は、強張りの兆しが蘇る肉茎に付いた泡をシャワーで洗い流すと、膝立ちになって私の下腹部に顔を埋めました。
彼女の温かな口の中で、柔らかな舌が肉茎を包みます。
私は目を閉じ、性戯ではない由香里そのものを感じ取っていました。
普段のままの妻…
何も変わらぬ私の由香里…
他人の精で満たされ、その味わいと欲にまみれた粘りを感じ取った罪深い妻の口が、今まで以上に愛おしく思えたのです。
私は濡れ光る強張りを彼女の口から抜きました。
「ありがとう… だけど、もういいんだ… 由香里…」
上擦った声で行為を制した私を、妻は驚いた目で見上げます。
「違うんだ… 今からは由香里と岩崎の時間にしたいと思って…」
私は言葉を続けました。
「由香里さえよかったら、朝まで岩崎と二人で過ごして欲しいんだ…」
「どうして…?」
「上手く言えないけど、由香里と特別な他人のためかな…」
思わず口から出たその言葉は、私とっての岩崎を偽りなく言い表したものでした。
「特別な他人… そうかもね…」
明日の朝まで、妻は他人と二人きりで時を過ごす…
夫のいない部屋で、今しがた目にしたあの行為を繰り返す…
利己的な偽善かも知れませんが、今度は私の欲望のためにではなく、彼女のためだけに他人に抱かれて欲しいと願ったのかも知れません。
私はバスルームから出ると、濡れた体をタオルで拭き、ベットの上のバスローブを手に取りました。
時刻はもうすぐ深夜2時になります。
私は部屋を出ると、岩崎がいる隣室のドアをノックしたのです。
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