私は、愛する妻が他人に抱かれることへの執着からは、決して逃れることが出来ないのでしょう。二度と後には戻れないと判った上で、引き裂かれそうな想いで見つめる妻の美しく淫らな姿の虜になっていたのです。
由香里と出会い、平穏な結婚生活を過ごしていた時までは、彼女の全てに慈しみを込めて愛していました。夫という立場で妻を想い、繰り返される毎日の中で幸せな家庭を営み続けることが私の全てでした。そして妻に、私と結婚してよかったと思ってもらえることが何よりの喜びであり、生き甲斐だったのです。
それにもかかわらず、やがて私は彼女に対する別の愛し方を求める自分自身の願望に気付いてしまいました。いえ、本当は、気付かないふりをして誤魔化していたことを認めざるを得ないほど、日増しに大きく昂り続けていたのです。
その願いは、振り払うことの出来ない罪深い欲望となって網のように体に絡みつきました。妻に向ける夫としての顔の裏で、他人の肉茎に貫かれて身悶える彼女の姿を幾度も想い描き、自慰に浸っていたのです。
私が由香里と交わったある夜のことでした。目の眩むような極みに達する直前、私はそれまで何度も想い巡らせた妻の姿を彼女の耳元で口にしました。夫である私と出会う以前、彼女が愛した相手との性行為について、射精を堪えながら問いかけたのです。
その男は、由香里の膣の中で勃起した茎を何度も激しく動かし続けたんだろ…
由香里は自分から中出しをせがんで、熱い精を子宮の奥で浴びながら淫らな声をあげたんだろ…
それは私にとっては、妻を責めたり蔑む言葉ではありませんでした。かといって、過去における彼女と他人の性行為を全て受け入れる寛容の言葉でもありません。
淫らな本性と願望を隠しながら、込み上げる性の葛藤に苦しむ妻であって欲しい…
夫との性行為だけでは満たされない闇深い欲望に苛まれる女であって欲しい…
それらは、私にとっての理想の妻に必要な、決して欠くことの出来ない条件だったのです。
あの時の切なく狂おしい想いが、込み上げる嫉妬と羨みに絡み合い、喉の奥を熱い渇きで締め付けます。
今夜、他人と重なり合う妻の淫らで美しい姿を思い描き、暗闇に塗り潰された孤独な寝室の中で身を焦がす自分自身を、あの頃の私には想像すら出来ませんでした。
しかし、それは私にとって決して惨めで哀れな夜ではないのです。私の身勝手で罪深い願いを受け入れ、一夜妻として他の男と過ごす由香里への想いを馳せる恍惚の時だったのです。
私だけの理想の妻へと変わりゆく由香里…
もしかしたら、由香里だってそれを心の奥で望んでいたのでは…
そうでなければ、最後まで頑なに拒んだはず…
私の前で他人に抱かれて欲しいと打ち明けた時の彼女の驚きと困惑は、夫が自分と同じ願望を持っていることを知ったからでは…
それは妻に対する卑怯な疑いであると同時に、私自身の更なる願望でもあったのです。
自分の下腹部から突き立った強張りの茎は、妖しく粘るローションと先走りの汁で濡れ光ります。わしづかみにしたティッシュを亀頭にあてがい、間も無く訪れる射精に備えました。
由香里… 今、岩崎に抱かれる姿を想いながら自分で慰めているんだよ…
さっきからずっと、あいつの茎に犯されている由香里の愛おしい体を想い浮かべて手を動かしているんだ…
もうすぐ出ちゃうよ…由香里…
由香里… 我慢出来ないよ… 出ちゃいそうだよ…
仰向けになった体が震え、突き抜けるような快楽が背中を反り返らせ、火照る下腹部を持ち上げました。口元から漏れる息遣いと、ローションにまみれた手が茎と擦れる音だけが暗い部屋の中に漂います。
今この瞬間に由香里を抱いているであろう岩崎に対して、私は卑屈で恥辱にまみれた哀願をうわ言のように心の中で繰り返しました。
ああ… どうか由香里の中に精を注いで下さい…
妻がもし妊娠したとしても、きっと彼女もそれを望んでいるはず…
貴方の逞しい茎から溢れ出る白濁の液で妻の子宮を満たして下さい…
今まで数多くの女性が求めたであろう貴方の精を、私の愛する由香里にも注いで下さい…
妻を寝取っている男にひれ伏し縋り付くような屈辱の願いは、愛おしい妻の帰りを待つ私の本心とは真逆のものでした。しかし、私の中に潜むもう一人の自分にとっては、忌むべき恍惚に魅せられた刹那の願いだったのです。
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