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妻を想う夜【04】

由香里のいない家の中で、私はソファーに座ったまま身動きもせず、壁の一点だけを見つめていました。静寂の中を漂う街の喧騒だけが遠くから聞こえてきます。

無情の寂しさと孤独に耐え切れず、私は携帯を手に取ると、言いしえぬ焦燥を打ち消すように岩崎へメールを送りました。
それは振り子みたいに揺れ動く心の片側を、偽りのない言葉で伝えたものでした。

―  先程、由香里が貴方と逢うために出かけました
―  私の愛する妻です。どうか大切に、優しく接して下さい
―  そして、満ち足りたひと時を与えてあげて下さい

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衝動に駆られてメールを送ってしまったことに後悔はありません。その中に託した想いは、以前から何度も繰り返し自分に問いかけ、確かめたものなのです。
しばらく経った後、岩崎からの返信が届きました。

―  大切な奥様を見送った川島さんのお気持ちを察しています
―  由香里さんは私にとっても大切な女性です
―  私に愛される姿を想い浮かべ、奥様の帰りをお待ち下さい
―  辛さはやがて悦びによって癒されますから

それは、妻を寝取られる私を気遣いながら、心の中では人の妻を性で支配する至福が隠された文章に思えました。
これからの数時間、岩崎は何の手出しも出来ない私を弄びながら、心ゆくまで妻の体で欲望を満たすのです。

どれだけの時間が経ったことでしょう。暗がりは部屋の隅々まで黒く塗りつぶし、深い静けさだけがその中を漂います。
私は静寂を断ち切るように部屋の明かりを点け、由香里が用意してくれた夕食をテーブルの上に並べました。
食事を箸で口に入れても、胸の奥で不規則な刻みを打つ鼓動が喉を詰まらせます。咽せるのを抑えつけ、息を止めて口の奥に押し込みました。

由香里は少しでも私のために何かをしたくて食事を用意したんだ…
だけど、私のことを気にかけながらも、岩崎と逢う約束に従ったんだ…

今頃、二人は何をしているのでしょう。不貞の交わりの時を過ごす二人にとって、夫である私は禁忌の誘惑を彩るだけの存在なのでしょうか。

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岩崎からのメールを息を潜めるように待ちながら、テーブルの上に置いた携帯を見つめ続けました。
私は彼からどのような連絡を欲しがっているのでしょう。孤独な夜を課した自分自身にも判りません。ただ、今の由香里の様子を少しでも知りたかっただけなのです。

私の中に、二人の姿が夢想の光景となって浮かび上がります。

由香里の背後から両腕で抱き寄せ、着衣のボタンをゆっくりと外す岩崎…
唇を重ね合い、互いの気持ちを確かめるように舌を絡める二人…
耳元で囁く岩崎の言葉に小さく頷き、彼の背にまわした手でシャツを握りしめる由香里…

それらは妄想などではなく、今この瞬間にも結ばれようとしている二人の姿なのです。
目眩がする程の嫉妬が、張り裂けそうな胸を激しく打ちのめしました。早まる鼓動は由香里への情愛を昂らせ、下腹部の熱い固まりが、押さえ付けられた先端をもたげます。火照る膨らみは行き場の無い苦しさにもがき、遠く離れた由香里の姿を愛しむように脈動を繰り返しました。

岩崎のメールを知らせる着信音が再び鳴ります。私は慌てて携帯を手に取りました。メールに本文は無く、一枚の写真だけが添えられています。
それはベットの脇にある椅子に置かれた妻の衣服… 彼女が家を出た時、身に付けていたスカートの写真だったのです。

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今、二人は愛し合っているんだ…
あの男の狂おしい茎が、艶かしい潤いに満たされた由香里の秘部を愛しているんだ…

私は欲情の板挟に堪え切れず、誰もいない部屋の中でベルトを外し、硬直した勃起を露わにしました。鼓動とともに上下に揺れ動く亀頭から、唾液のように透明な粘液が滴っています。切ない息遣いとともに、膨れ上がった肉茎は痛いほどに猛りを増していきました。

ああ… 由香里…
全ての責めを私に負わせていいんだから…
私は、愛する妻が他人に寝取られる姿を想い、勃起した茎から悦びの雫を垂らす夫なんだ…

現実を受け入れた証として、私は震える指先で空のメールを岩崎へ送りました。そして握り締めた携帯を持ったまま、ふらつく足取りで真っ暗な寝室の中に入ったのです。

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妻を想う夜【05】

私は寝室にあるクローゼットの奥から、透明な粘液の入った小さなボトルを取り出しました。それは岩崎と妻が初めて結ばれた日、二人の傍にいる私に彼が手渡したローションなのです。

あの時、私は自分の茎にその粘液を垂らし、岩崎と重なり合う妻を見つめながら自慰をしました。秘部を貫かれ、他人の勃起に身悶える由香里の前で、透明なローションにまみれた亀頭の先端から白濁の精を吐き出したのです。
身を裂くような妻への想いと、秘め続けた願いが叶えられた悦びが交錯し、私の全身を激しく震わせました。

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しかし、今夜の私に許されることは、独りになった寝室の中で由香里の面影を追うことだけです。他人と体を重ねる妻の姿を夢想し、胸を掻き毟るような嫉妬と羨みに堪える他は無いのです。

私は温もりの消えたベットの上に倒れ込み、棒のように硬直した茎へゆっくりとローションを垂らしました。透明な連なりとなった冷たい雫が亀頭に纏わり、由香里を恋しがる熱い火照りを癒すように勃起の根元に伝わり落ちます。

妻は今、岩崎の腕に抱かれながら、恍惚への昂りを辿っていることでしょう。あの夜、私の記憶に刻まれた妻の姿が蘇ります。

岩崎の硬い茎の先端が由香里の秘部に触れ、潤う膣口を押し開きながら奥深くへと沈み込む瞬間を、私は成すすべもなくその傍らで見つめました。
岩崎は夫である私の前で、妻の罪深い愛液で茎を濡らし、ゆっくりと下腹部を動かし続けたのです。張り詰めた亀頭を囲む深い抉れが、由香里の柔らかな膣壁を弄ぶように何度もなぞりました。岩崎は息を昂らせ、太い筋の浮き立たつ強張りで妻の温もりを欲しいままにしたのです。

私の精を受け止めてくれた愛おしい秘奥が、反り返る他人の勃起を求めて襞を震わせているのが分かりました。それは残酷な程に美しく、張り裂けそうな夫の心を無惨に痛ぶる罪深い姿でした。
私は狂おしい嫉妬に咽ぶ心の中で、由香里への想いが溶け込んだ精を放つ姿を見届けて欲しいと願いました。忌むべき至福に包まれ、妻の名を心の中で繰り返し、目の眩む悦楽に身を委ねる夫を愛しんで欲しかったのです。

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他人とセックスする妻の傍らで、相手の男から渡されたローションを茎に塗り、震える手で自慰に浸る私を、由香里はどんな想いで見つめたのでしょう。
そして、熱く膨れ上がった岩崎の勃起に体の奥まで貫かれ、一つに結ばれた性器を夫に晒す自分に何を感じたのでしょう。

私は恍惚の理想を得るための交換条件として、それまでの平穏な結婚生活を代償として差し出すことを選びました。固く閉ざされていた扉の向こうにある禁断の悦びは、後戻りの出来ない片道を辿らなければ手に入れることが出来ないからです。

ああ… 由香里…
あの夜のように、由香里が岩崎と結ばれる姿を間近で見つめたい…
愛する妻が男に精を注がれる傍らで、心を切り刻まれる程の悦びに浸りたい…

私は波のように昂ぶる鼓動に誘われるまま、滴る粘液で光る茎に手を添えました。指に伝わる熱が、刹那に悶える葛藤の証に思えます。
静まり返った寝室には、ローションにまみれた茎を手が滑るように動く微かな音だけが漂いました。私は部屋を覆う暗がりの中に、互いの体が一つに溶け合うような眩い時を過ごす二人の姿を想い描いたのです。

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妻を想う夜【06】

私は、愛する妻が他人に抱かれることへの執着からは、決して逃れることが出来ないのでしょう。二度と後には戻れないと判った上で、引き裂かれそうな想いで見つめる妻の美しく淫らな姿の虜になっていたのです。

由香里と出会い、平穏な結婚生活を過ごしていた時までは、彼女の全てに慈しみを込めて愛していました。夫という立場で妻を想い、繰り返される毎日の中で幸せな家庭を営み続けることが私の全てでした。そして妻に、私と結婚してよかったと思ってもらえることが何よりの喜びであり、生き甲斐だったのです。

それにもかかわらず、やがて私は彼女に対する別の愛し方を求める自分自身の願望に気付いてしまいました。いえ、本当は、気付かないふりをして誤魔化していたことを認めざるを得ないほど、日増しに大きく昂り続けていたのです。

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その願いは、振り払うことの出来ない罪深い欲望となって網のように体に絡みつきました。妻に向ける夫としての顔の裏で、他人の肉茎に貫かれて身悶える彼女の姿を幾度も想い描き、自慰に浸っていたのです。

私が由香里と交わったある夜のことでした。目の眩むような極みに達する直前、私はそれまで何度も想い巡らせた妻の姿を彼女の耳元で口にしました。夫である私と出会う以前、彼女が愛した相手との性行為について、射精を堪えながら問いかけたのです。

その男は、由香里の膣の中で勃起した茎を何度も激しく動かし続けたんだろ…
由香里は自分から中出しをせがんで、熱い精を子宮の奥で浴びながら淫らな声をあげたんだろ…

それは私にとっては、妻を責めたり蔑む言葉ではありませんでした。かといって、過去における彼女と他人の性行為を全て受け入れる寛容の言葉でもありません。

淫らな本性と願望を隠しながら、込み上げる性の葛藤に苦しむ妻であって欲しい…
夫との性行為だけでは満たされない闇深い欲望に苛まれる女であって欲しい…

それらは、私にとっての理想の妻に必要な、決して欠くことの出来ない条件だったのです。

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あの時の切なく狂おしい想いが、込み上げる嫉妬と羨みに絡み合い、喉の奥を熱い渇きで締め付けます。
今夜、他人と重なり合う妻の淫らで美しい姿を思い描き、暗闇に塗り潰された孤独な寝室の中で身を焦がす自分自身を、あの頃の私には想像すら出来ませんでした。

しかし、それは私にとって決して惨めで哀れな夜ではないのです。私の身勝手で罪深い願いを受け入れ、一夜妻として他の男と過ごす由香里への想いを馳せる恍惚の時だったのです。

私だけの理想の妻へと変わりゆく由香里…
もしかしたら、由香里だってそれを心の奥で望んでいたのでは…
そうでなければ、最後まで頑なに拒んだはず…
私の前で他人に抱かれて欲しいと打ち明けた時の彼女の驚きと困惑は、夫が自分と同じ願望を持っていることを知ったからでは…

それは妻に対する卑怯な疑いであると同時に、私自身の更なる願望でもあったのです。

自分の下腹部から突き立った強張りの茎は、妖しく粘るローションと先走りの汁で濡れ光ります。わしづかみにしたティッシュを亀頭にあてがい、間も無く訪れる射精に備えました。

由香里… 今、岩崎に抱かれる姿を想いながら自分で慰めているんだよ…
さっきからずっと、あいつの茎に犯されている由香里の愛おしい体を想い浮かべて手を動かしているんだ…
もうすぐ出ちゃうよ…由香里… 
由香里… 我慢出来ないよ… 出ちゃいそうだよ…

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仰向けになった体が震え、突き抜けるような快楽が背中を反り返らせ、火照る下腹部を持ち上げました。口元から漏れる息遣いと、ローションにまみれた手が茎と擦れる音だけが暗い部屋の中に漂います。

今この瞬間に由香里を抱いているであろう岩崎に対して、私は卑屈で恥辱にまみれた哀願をうわ言のように心の中で繰り返しました。

ああ… どうか由香里の中に精を注いで下さい…
妻がもし妊娠したとしても、きっと彼女もそれを望んでいるはず…
貴方の逞しい茎から溢れ出る白濁の液で妻の子宮を満たして下さい…
今まで数多くの女性が求めたであろう貴方の精を、私の愛する由香里にも注いで下さい…

妻を寝取っている男にひれ伏し縋り付くような屈辱の願いは、愛おしい妻の帰りを待つ私の本心とは真逆のものでした。しかし、私の中に潜むもう一人の自分にとっては、忌むべき恍惚に魅せられた刹那の願いだったのです。

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プロフィール

川島 ゆきひと

Author:川島 ゆきひと
夫である私の見ている前で他人と体を重ね合わせ、すべてを受け入れる妻の姿…
夫である私にすらまだ見せたことのない露わな妻の姿…

30代になった私たちが寝取られや夫婦交換で体験した様々な出来事、いろんな方との出会いを、このブログに書きたいと思います。

私の詳しいプロフィールについては、こちらをどうぞ








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