あの出来事から数日が経ちました。
夫婦としての生活自体は、大きく変わってはいません。
同じサイクルと時の刻みを保ちながら、以前の生活を守り続けたのです。
そのような日々の中でも、私は常にあの時の妻… 他人と重なり、淫らな喘ぎ声を漏らす彼女の姿を、目の前にいる日常の妻と重ね合わせていました。
それは、私の妻でありながら、他人にとっては「人妻」である由香里との生活なのです。
あの光景が蘇る度に私の胸は締め付けられ、目眩を伴う程の感情の高まりが発作のように私を揺さぶります。
それは、利己的な支配欲と理不尽な嫉妬にまみれた歪んだ情愛なのでしょうか。
週の半ばのある日、妻から残業で遅くなるとのメールがありました。彼女は以前からも、仕事で帰宅が深夜になることはあったのです。
妻からのメールでは、クライアント先でのプレゼンの後、報告書の作成のために会社へ戻るので帰宅がかなり遅くなるとのことでした。
そんな事にさえ、あの日以来の私は、焦燥を伴う言いようのない不安と、嫉妬の混じった猜疑心を抱いてしまうのです。
結婚後、貞淑を保ち続けた妻が自らの願望を封じた鍵を、夫である私自身の手で外しておきながら、一方では彼女の変化を恐れる自分がいるのかも知れません。
もしかしたら、私に内緒で密かに岩崎と…
それとも、以前から妻に言い寄る若い後輩社員からの求めを拒みきれずに…
あるいは、クライアント先の男から誘われるままに…
次々と浮かぶ不安と焦りが連なり、蝕むように心を痛めつけます。
なぜ、妻の方からその後のメールが来ないんだろう…
せめて、何処にいるのかぐらい連絡してくれても…
私は苛立ちを抑えきれず、何度もリビングの時計を見つめながら、妻の帰りを待ち焦がれたのです。
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