仕事の忙しさもあり、帰宅はいつもより遅くなってしまいました。家の灯りは消えたままで、何の音もしないリビングの蛍光灯を点けたときは眩しく感じた程です。
朝、私が食べた食事は片付けてありました。
妻は会社に行ってまだ帰っていないのかな…
それとも、あのまま寝ているんだだろうか…
夫でありながら、少し緊張しながら寝室のドアをそっと開けると、中は真っ暗で妻は居ませんでした。
あ、やっぱり会社に行ったんだ…
妻の精神的なダメージが心配だったので少し安心しました。つかの間の安堵で気が抜けたのか、ベッドに腰掛けたまま少し横になり、妻が家に帰った後のことをあれこれ思案したのです。
自分自身の気持ちを、どう言葉に置き換えて整理すればいいのか…
それをどう妻に伝えればいいのか…
先日から何度も考えてはみたことです。
ただでさえ難しいことなのに、昨夜の一件があった後のことですからなおさらです。
あ… その前に妻を慰めなきゃ…
今、一番辛いのは妻かも…
最初にその事に気付くべきでした。自分の性癖を満たす算段ばかりを考え、それに想い至らなかった自分の不甲斐なさに、やるせない気持ちがこみ上げてきました。
だから昨夜のようなことになったんだ…
繰り返すため息混じりの後悔にうなだれている時、玄関のドアに鍵を差し込む音がしたのです。
帰ってきた…
私は反射的に何かを取り繕ろおうと、慌ててベットから起き上がりました。
「あ… いたんだ… 電気も付けないで」
妻が寝室のドアを開け、中にいた私に少し驚いた様子です。
「ん… まあ…別に…」
思ってもいないタイミングで妻が帰宅したので、返す言葉に詰まりながら、気まずい寝室を出てリビングのソファーに座りました。
妻は私の後を追うようにリビングに入ってくると、テーブルの椅子に座り
「話しがあるから… そこに座って」と向かいの椅子を指差しました。
いつもの妻とは違う、何か既に決めた事を私に伝えたいかのような言い方です。
私から妻への正式な「告白」をする間もなく、彼女の方から私に話が…
昨夜から今の間に、妻は一人で何を決めたんだ…
昨日の私からの言い方に対して、他の人に抱かれることを承知しましたなどと言うはずがありません。
離婚?
まさか… いきなり?
この期に及んでも何の準備も出来ていない私は、妻が指差した椅子に座るしか無かったのです。
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