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妻への告白【04】

私は椅子に座る気力も無くなり、ソファーに横たわりました。天井を眺めている目を閉じ、さっきの出来事が夢であって欲しいと願いながら再び目を開けたのです。
そして何も変わらない現実の出来事を後悔しながら、先日の岩崎からの言葉を思い返しました。

自分の気持ちを込め、自分の言葉で妻に伝えるよう助言を受けましたが、私は妻に向かって、衝動的に欲望を投げつけるように口にしてしまったのです。

あの日、岩崎と会い、アドバイスまで貰い、今日までいろいろ自分なりに考えもしたのに、出た結果がこの有様です。

板挟みのような状態が続き、伝えるべきことも整理出来ないまま、知らずのうちに何かのきっかけだけを探していたのでしょうか。

自分自身へのやるせなさと、妻への罪悪感から、知らぬ間にソファーで眠ってしまいました。

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妻への告白【05】

翌朝まで、私はそのままソファーで眠っていました。
寝室で妻の隣に寝るなど、出来るような状況ではありませんし、私が寝室の中に入ること自体を彼女は拒む筈です。

眠っている途中で何回も目が覚めたせいか、睡眠不足のけだるさがソファーから起き上がる気力を失せさせます。

食卓の上に並んている、手付かずのまま残った昨夜の夕食を食べました。冷めて乾いた食事の味は、前夜の私の暴言の証人みたいに思え、なかなか飲み込めません。

出勤の身仕度を整え、玄関に向かう途中、寝室のドアに近づき、中の様子を外から確かめました。
何の音も気配も無く、まだ眠っているようです。

そろそろ起きなきゃ会社に遅刻しちゃう時間なのに…

ドアのノブに手をかけましたが、思い直して静かにドアから離れ、音を立てないように玄関から出たのです。

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精神的なショックで、あのまま寝込んでしまったのだろうか…

私は後悔と罪悪感を引きづったまま、会社へと向かいました。

週明けの社内は忙しく、書類の整理や電話の応対に追われましたが、一時でも昨夜のことを忘れたい私には、それが救いだったのです。

結局、妻は会社を休んだのかな…
最近、仕事が忙しいって言ってたのにな…

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時折湧き上がる妻との出来事への悔いが、忙しいはずの一日を、次第に長く鬱なものへと変えていくようです。

岩崎に相談してみようか…
彼なら何かいいアドバイスをくれるかも…

会社の外に出て、メモに控えた岩崎の携帯番号を見ながら電話をしようとしました。

岩崎に何を話せばいいんだ…
するなと言われたことをしておきながら…

携帯を折りたたみ、会社の近くをぶらりと歩きながら、今晩、家に帰った後にするべきことを考えたのです。

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妻への告白【06】

仕事の忙しさもあり、帰宅はいつもより遅くなってしまいました。家の灯りは消えたままで、何の音もしないリビングの蛍光灯を点けたときは眩しく感じた程です。
朝、私が食べた食事は片付けてありました。

妻は会社に行ってまだ帰っていないのかな…
それとも、あのまま寝ているんだだろうか…

夫でありながら、少し緊張しながら寝室のドアをそっと開けると、中は真っ暗で妻は居ませんでした。

あ、やっぱり会社に行ったんだ…

妻の精神的なダメージが心配だったので少し安心しました。つかの間の安堵で気が抜けたのか、ベッドに腰掛けたまま少し横になり、妻が家に帰った後のことをあれこれ思案したのです。

自分自身の気持ちを、どう言葉に置き換えて整理すればいいのか…
それをどう妻に伝えればいいのか…

先日から何度も考えてはみたことです。
ただでさえ難しいことなのに、昨夜の一件があった後のことですからなおさらです。

あ… その前に妻を慰めなきゃ…
今、一番辛いのは妻かも…

最初にその事に気付くべきでした。自分の性癖を満たす算段ばかりを考え、それに想い至らなかった自分の不甲斐なさに、やるせない気持ちがこみ上げてきました。

だから昨夜のようなことになったんだ…

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繰り返すため息混じりの後悔にうなだれている時、玄関のドアに鍵を差し込む音がしたのです。

帰ってきた…

私は反射的に何かを取り繕ろおうと、慌ててベットから起き上がりました。

「あ… いたんだ… 電気も付けないで」
妻が寝室のドアを開け、中にいた私に少し驚いた様子です。

「ん… まあ…別に…」
思ってもいないタイミングで妻が帰宅したので、返す言葉に詰まりながら、気まずい寝室を出てリビングのソファーに座りました。

妻は私の後を追うようにリビングに入ってくると、テーブルの椅子に座り

「話しがあるから… そこに座って」と向かいの椅子を指差しました。
いつもの妻とは違う、何か既に決めた事を私に伝えたいかのような言い方です。

私から妻への正式な「告白」をする間もなく、彼女の方から私に話が…
昨夜から今の間に、妻は一人で何を決めたんだ…

昨日の私からの言い方に対して、他の人に抱かれることを承知しましたなどと言うはずがありません。

離婚?
まさか… いきなり?

この期に及んでも何の準備も出来ていない私は、妻が指差した椅子に座るしか無かったのです。

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川島 ゆきひと

Author:川島 ゆきひと
夫である私の見ている前で他人と体を重ね合わせ、すべてを受け入れる妻の姿…
夫である私にすらまだ見せたことのない露わな妻の姿…

30代になった私たちが寝取られや夫婦交換で体験した様々な出来事、いろんな方との出会いを、このブログに書きたいと思います。

私の詳しいプロフィールについては、こちらをどうぞ








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