翌朝まで、私はそのままソファーで眠っていました。
寝室で妻の隣に寝るなど、出来るような状況ではありませんし、私が寝室の中に入ること自体を彼女は拒む筈です。
眠っている途中で何回も目が覚めたせいか、睡眠不足のけだるさがソファーから起き上がる気力を失せさせます。
食卓の上に並んている、手付かずのまま残った昨夜の夕食を食べました。冷めて乾いた食事の味は、前夜の私の暴言の証人みたいに思え、なかなか飲み込めません。
出勤の身仕度を整え、玄関に向かう途中、寝室のドアに近づき、中の様子を外から確かめました。
何の音も気配も無く、まだ眠っているようです。
そろそろ起きなきゃ会社に遅刻しちゃう時間なのに…
ドアのノブに手をかけましたが、思い直して静かにドアから離れ、音を立てないように玄関から出たのです。
精神的なショックで、あのまま寝込んでしまったのだろうか…
私は後悔と罪悪感を引きづったまま、会社へと向かいました。
週明けの社内は忙しく、書類の整理や電話の応対に追われましたが、一時でも昨夜のことを忘れたい私には、それが救いだったのです。
結局、妻は会社を休んだのかな…
最近、仕事が忙しいって言ってたのにな…
時折湧き上がる妻との出来事への悔いが、忙しいはずの一日を、次第に長く鬱なものへと変えていくようです。
岩崎に相談してみようか…
彼なら何かいいアドバイスをくれるかも…
会社の外に出て、メモに控えた岩崎の携帯番号を見ながら電話をしようとしました。
岩崎に何を話せばいいんだ…
するなと言われたことをしておきながら…
携帯を折りたたみ、会社の近くをぶらりと歩きながら、今晩、家に帰った後にするべきことを考えたのです。
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