そんな中、皆の話を頷きながら聞くだけで、殆ど会話に参加してこない一人の男性に目が留まりました。
年齢は、その時の私より年上の30代の半ばくらい、黒のシャツを着た、少し日焼けした背の高い精悍な感じの人でした。
気持ち良さそうにグラスに口をつけ、周りの他愛もない話に耳を傾けているかのような、グループの他の人とは少し違う雰囲気を持っていました。
心地よい酔いを楽しんでいるのか、少し眠たげな表情で時折相槌を打ちながら話に聞き入っているように見えました。
どんな人なんだろ… サラリーマンじゃあないな…
「あ… 気にしなくていいよ、こいつはいつもこんな感じだから」
連れの他の方が私たちに笑いながら言いうと、彼は「今日の俺は聞き役だから」と応えて、相変わらず酒のグラスに口を付けています。
「こいつは、これでけっこう人妻さんにモテるんだよ、な」
「夫婦交換の相手もしてるしな」
唐突に臨席の男性から出た「夫婦交換」という言葉に、一瞬、私は息をのみました。
他の人なら軽い戯言と聞き流せても、ここ暫く、その言葉に振り回されていた私には、抜き身のナイフのようなものだったのです。
「お前は独身なのに夫婦交換かあ…?」
連れの言葉にも黒シャツの男は眠たげな表情を変えずに
「場を取り持ったというか… 夫婦のリクエストに応えて、旦那さんの前で奥さんと… まあ、あまり深くは御勘弁ということで」
と、はぐらかしながら、眠気を楽しんでいるかのような様子でした。
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