傍らで二人の姿を見つめる私を弄ぶように、岩崎の指が妻のブラウスを閉じているボタンに触れ、一つずつわざと時間をかけながら上から順に外しました。彼女は岩崎から唇を離し、胸元の指先の動きを見つめています。
僅かのボタンを残したまま、岩崎はブラウスの襟元を開き、肩から下に引き降ろしたのです。
細い首筋から両肩、そして胸元の肌が薄暗い部屋の灯りに晒されました。
他人によって着衣を乱された妻の姿は、私が今まで想い描き、時には私の身勝手な自慰の対象とした妄想の妻そのものだったのです。
由香里… もうすぐ恋い焦がれた由香里の姿が…
先ほどまで妻の舌を味わった岩崎の唇が、今度は開いた胸元の舌触り確かめるように、ゆっくりと這いずります。
妻は固く目を閉じながら、片手を彼の頭に添えました。指に彼の髪を髪を絡め、愛撫を受け入れながら、少しずつ二人が一つになっていくのです。
やがて岩崎の指先は妻の後ろへと周ります。
彼は、ベットに横たわりながら二人を見つめている私に目線を向けました。
その時の私はどんな表情をしていたのか… 自分でも判りません。
目の前で、大切が由香里が他人に弄ばれる切なさや嫉妬、その中に倒錯した悦びを見いだし、妻が女として身悶える瞬間を待ち焦がれる夫の姿…
彼にしてみれば、初めて妻を他人へ差し出す夫が、二つの感情の狭間を振り子のように揺れ動姿は幾度も目にしているのでしょう。
岩崎は、妻の体を私に向けると、息を呑んだまま茫然としている私を見ながら、彼女のブラの紐をゆっくりと外しました。
かろうじて肩に留まったままの紐を指先で外し、由香里の膝の上に落としたのです。
他人によって露わにされる妻の胸…
私だけが触れ、舌と唇で何度も愛た、妻の香りが漂う乳房…
時には精の迸りを浴びせ、夫の独占欲を満たしたことも…
私が今見ている光景は、それらの全てを遠い過去の出来事にしてしまうかのようでした。
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