妻の唇を、岩崎はゆっくりと這いずる舌で開いてから、彼女の口内を侵しました。
その時の由香里は、既に全を岩崎に託す覚悟を終えていたのでしょう。押し込まれた舌とその動きを拒むことなく、彼女自身も纏わるように舌を絡めたのです。
私にとって、二人の男女が唇を重ねる姿を目の前にするのは初めてでした。ましてや、それが私の愛する妻と他人との行為なのです。
何年か前、由香里と交際を始めて間もない頃、初めてキスをした時の事が頭をよぎりました。
デートのために下調べをしながら計画を練ったり、彼女が理想とする立ち振る舞いをしたりと、自分が由香里の恋人に選ばれるための、あらゆる努力を惜しみませんでした。
しかし今、私の前で岩崎は、由香里に出逢ったその日に彼女の唇を欲しいままに侵しているのです。
私と結婚してから、誰一人も味わったことの無い妻の唇と舌の奥が、他人によって陵辱されている思いでした。
岩崎は着衣の上から妻を抱きしめ、体の線に沿うように柔らかに撫でながら、その手で胸の膨らみに触れたのです。一瞬、妻の体が小さく反応しました。
隣のベットの上に身を投げ出したままの私は、自分自身が計画した眼前の行為に、理不尽な嫉妬と愛憎を交錯させたのでした。
次第に早まる二人の吐息が重ねた唇から漏れ聞こえます。お互いの心を確かめ合うかのように、唾液で潤う二つの舌が絡みあい、次第に妻の中から私の存在が消えていくようです。
全ては私が望み、私の決心で用意したこと…
妄想でしかなかった、他人に抱かれる由香里の姿を知るために…
妻を愛する夫でありながら、私自身の愛し方であるが故に、理性の欺きを見透かしたかのように下腹部がゆっくりと本性を表しました。
充血したような熱が、欲の先端へと流れ出し、欺瞞に満ちた理性をあざ笑うように茎が強張りながら二人の行為に酔いしれたのです。
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