週の明けた月曜日の朝、私達夫婦は普段通りの時刻に起き、いつも通りの出勤準備をしました。
気怠い朝の筈なのに、普段通りであることに安堵を感じていたのかも知れません。
清楚な装いに包まれた妻を他人が見ても、この休日の間の出来事を誰も想像すら出来ないでしょう。
食事を済ませ、台所に食器を片付けている妻が私に振り返りました。
「あの… 岩崎さんからメールが来たの…」
妻は後ろめたさを笑顔で隠しながら私に告げました。
でもそれは、私にとっては驚きではありませんでした。
妻と他人が一緒に過ごした一夜の中で、互いのメールアドレスを交換しあっても、むしろ当然の事なのです。
彼女は携帯電話を取り出し、私の前に差し出しました。
私にメールの事を伝えるきっかけを、彼女なりに迷っていたのかも知れません。
「いいよ… 由香里が読んでくれれば」
彼女は手にした携帯を開き、ゆっくりとメールを読み上げました。
その文面は丁寧で、簡潔ながらも妻に対する気遣いを伺わせるものでした。
初めて体験した出来事に対し、彼女が感じているであろう葛藤を思い遣りながらも、一人の男性として妻と時を過ごした事への感謝が綴られていたのです。
「これからも、岩崎とメールをやり取りしてもいいよ…」
妻は微かに笑みを浮かべ、黙って頷きました。私にはその表情が無性に愛おしく思えたのです。
その朝は、久しぶりに一緒に家を出て駅に向かいました。
満員電車の中で人混みに押されながら、傍らに立つ妻の手を握りました。彼女は目線を側に反らしながらも、私に対する想いを伝えるかのように握り返します。
淫らな妻と貞淑な妻…
今日から始まる新しい日常の中での夫婦生活は、後戻りの出来ない細い小道を辿るようなものかも知れません。
妻が併せ持つ二つの内面に戸惑いながら、その魅力の全てを見つけたいと願ったのです。
>> 体験告白や官能小説をもっと見る>> アダルトブログをもっと見る