妻の帰宅は夜の11時半を過ぎた頃でした。
「ただいま… 」
クライアント回りの紺スーツ姿の妻が、玄関のドアを開けました。
灯りに照らされた短めのスカートと脚が、今の時間まで苛立ちながら待たされた私の焦燥を逆撫でしたのです。
今日一日の間に妻と接した男の何人かは、密かに彼女を性の対象として見つめた筈だ…
夫がいながら他人と交わり、一夜の時を過ごした淫らな妻であることなど夢にも思わずに…
見た目の清楚な装いに惹かれて、秘めた欲望の捌け口を彼女に求めたりしたら…
目の前に立つ由香里の姿はいつもと同じ筈なのに、私の高まる感情は抑えを失いました。
堪えきれずに、まだ靴を履いたままの彼女を抱き寄せ、唇を押し付けるように重ねたのです。
妻の口内を這う私の舌に、彼女の生暖かい舌が絡み合います。
口の中を潤す粘液が、私の抑圧された欲望を激しく煽り立てました。数日前に目にしたばかりの光景… 妻の口を満たした他人の精から漂う香りの記憶が、激しい嫉妬を呼び覚ましたのです。
由香里は手にしたバッグを床に落とすと、脚の支えを失うかのように私に体を預けました。
あの日以来、彼女自身も体の奥から湧き上がる女としての欲望に苛まれているのでしょうか。
それとも、夫と他人に翻弄され、種火のようにくすぶり続ける性の欲に、彼女なりに戸惑いを感じているのかも知れません。
そのような妻に対する愛おしさとともに、岩崎への想いを私に正直に打ち明ることを拒む妻に対し、苛立ちに似た感情が込み上げてきたのです。
私は妻の腰に手をまわし、彼女の体を支えながら寝室に連れていきました。
着衣のままベットに横たわらせると、ブラウスのボタンを外し、両肩の肌を露わに晒しました。両手を背中に回してブラジャーのホックを外し、スカートのファスナーを下げて膝まで引き下ろしたのです。
私はベットの上に両膝で立ったまま、妻の姿を見下ろしながら息を呑みました。
着衣のスーツとブラウスを乱され、無造作に下ろされた下着の隙間から露わにされる妻の肌… それはまるで、他人によって犯された由香里の、艶めかしい程に無残な姿そのものでした。
由香里の息遣いは次第に荒れ、白い肌の肩が小刻みに揺れ動きます。彼女は無言のまま目を閉じ、私の行為が意味するものを受け入れたのです。
由香里…
岩崎のような男に、この前以上に激しく体を求められたいんだろ…
貞淑を演じ続けてきた自分の体を、犯すように欲しがる他人へ与えたいんだろ…
私は衣服を脱ぎ捨て、強張りを突き出したまま、至福の想いで妻の姿に見とれていました。
それは、私自身が幾度も妄想の中で想い描いた、他人の欲望によって汚された切なく美しい由香里そのものだったからです。
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