他人に妻の体を与え、その二人が私の目の前で体を重ねあったあの日から、1ヶ月程が経ちました。
その間に季節も晩秋から初冬へと移り変わり、慌ただしいクリスマスの時期も間近に迫っています。
そんなある週末の午後、私はリビングのソファーに座りながら、寝室の中で外出の準備をしている妻を待っていました。
私達と岩崎の3人は今日、二度目の機会を設けたのです。
伊豆にある温泉ホテルに泊まり、私の傍らで由香里は岩崎の「一夜妻」として夜を過ごします。
そんな彼女は今、独りきりの寝室の中で、体を委ねる相手に会うための準備をしてるのです。
どんな気持ちで… どんな光景を想いながら…
由香里はそんな自分の姿を私に見られたくないのでしょう。
既に一度、夫である私の目の前で他人と交わった体験を経た彼女だからこそ感じる恥じらいなのかも知れません。
逆に、それだけ妻が岩崎に想いを寄せている証拠なのでしょうか。
私は彼女の羞恥によって心を掻き乱され、自らが招いた嫉妬に打ちひしがれながら彼女を待っているのです。
今回、予約した部屋は一つだけ… 前回のように、妻と岩崎から離れて私が一人になる部屋はありません。
逃げ場の無い空間と時間の中で、他人に与えた妻の傍らに2日間も寄り添えるのだろうか… 私はそのことが不安だったのです。
やがて寝室のドアが開き、中から妻が出てきました。
黒のショートコートに鮮やかな白のスカート… 秘めた淫らな願望を隠すかのような清楚で凛とした装いが、愛する由香里の姿を際立たせています。
「待たせちゃってごめん…」
「ううん… じゃあ… 出掛けよう…」
私は、旅先で他人と一夜を過ごす由香里の横顔に、不意に出会った美しい人妻のような艶めかしさを感じたのです。
私達は、岩崎と待ち合わせしている都内の駅に電車で向かいました。
駅前で合流し、伊豆のホテルまで彼の車で出掛けることにしています。
「もうすぐ電車が来るよ… 急ごう…」
「うん…」
人の行き交う駅のコンコースで、私は由香里をせかしました。彼女は家を出てから私と目を合わせようとしません。
お互いがそれぞれ今夜の時に想いを秘めながら、不貞と背徳を繰り返す躊躇いを断ち切るように、駅の改札を通ったのです。
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