岩崎は傍らに横たわる妻の背に手を廻し、身体を後ろから抱きかかえました。
体中の力が抜けた由香里は男にもたれかかり、口だけで浅い息を繰り返しています。
「川島さん… 朝までは私の由香里ですからね…」
彼は枕元の行燈を引き寄せ、抱きしめた妻の前に置きました。身を預ける由香里の背後から手をまわして両脚を掴むと、私に見せつけるようにゆっくりと開いたのです。
つい今しがたまで他人の肉茎を受け入れていた膣口と、その周りを包む襞が橙色の灯火に照らし出されます。
妻は耐え難い恥辱に脚を閉じようとしましたが、岩崎の腕の力に逆らうことは出来ませんでした。
男の支配を受け入れるかのように彼女の両脚から力が抜け、羞恥に満ちた自分自身の姿に耐えるかのように潤んだ目を暗い天井に向けます。
「あなた… お願い… 終わるまで隣りの部屋で待ってて…」
妻の消え入ような哀願の言葉は、私にとって耐え難いものでした。
由香里を信じているからこそ今夜の場を準備した私に対する裏切りに思えたのです。
「私から見えないようになら… 覗いてもいいから…」
それは妻が残した貞操の片鱗なのでしょうか。
それとも、夫の前で他人の肉茎で貫かれる罪悪からの逃避なのでしょうか。
「川島さん… 奥様の望むようにすることが貴方の務めですよ…」
私は言葉も出ませんでした。
もしかしたら、妻は交わりの姿を私に見られることよりも、夫の前で他人と結ばれる自分を岩崎に見られたくなかったのかの知れません。
きっとそうだ…
私にではなく、岩崎に対する僅かな貞操を守ろうとしているんだ…
屈辱に打ちひしがれながら、身を隠すように隣の部屋に戻ると、僅かに開いた襖に背を向けました。
暫らくの静寂の後、背後の寝室からは二人の息遣いが微かに漏れてきます。それは螺旋のように絡み合いながら一つの喘ぎとなって私の心をいたぶります。
由香里の啜り泣きは、やがて恍惚の悦楽に浸る身悶えの声へと変わっていきました。
他人の精を注がれる妻の傍らに寄り添うことを拒まれた私には、襖の間からその姿を覗き見ながら自慰に浸ることしか許されなかったのです。戸の隙間に立ち、狂おしい嫉妬に身を焼かれながら、岩崎と妻の行為を見つめ続けました。
私は他人の生身がなぞる妻の秘部を想いながら、握り締めた強張りから垂れる粘液に濡れた指で一夜妻の幻を愛したのです。
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