私にとって、それは決して忘れることのない、心と記憶の奥深くに刻み込まれた出来事でした。
岩崎は全身から込み上げる眩い恍惚の悦楽を解き放ち、妻の両脚の間に重ね合わせた下腹部を打ち震わせたのです。引き締まった精悍な体を激しく痙攣させ、崩れ落ちそうな身をよじりながら、声にならない息だけの喘ぎを数度漏らしました。そして一夜妻である由香里の名を、まるで遠のく意識の中で愛おしむように繰り返したのです。
それは私の愛する由香里の体内に、他人が熱い精の飛沫を注ぐ姿… 愛液に潤う妻の膣壁に肉茎を締めつけられながら、溢れ出る白濁の液で子宮を満たす他人の姿だったのです。
由香里は身悶えながら体を弓なりに反らし、両手で男にしがみ付きながら、注がれる精の脈を体奥に受け入れました。艶めかしく縮動する膣の中で、私以外の精液が奥まで広がる生の温かさを、彼女は罪深い官能の極みの中でどのように感じとったのでしょう…
妻が他人と結ばれ一つに溶け合う美しい姿を、私は息を止め唾を呑み込みながら、目を逸らすことなく見つめました。それは男によって由香里が理想の妻に染められていく悦びであり、他人が由香里の虜に堕ちながら果てる姿を目の当りにする至福でもありました。
張り裂けそうに反り返りる私自身の肉茎が、巡る脈の鼓動を受けながら上下に揺れ動きます。他人の精に塗り染められた妻の愛おしい秘奥を想いながら、中を押し広げるように体の奥から欲望の溜まりが込み上げてきます。
由香里は私の美しい妻であると同時に、男達の欲望の対象でいて欲しい…
常に男の視線を引きつける妻でいて欲しい…
私の利己的な欲望が、夫婦として踏み込んではならない筈の一線を超え、その更に奥へと彼女を誘い込んだのかも知れません。たとえそれが妻自身も気付かない心の内側に隠され続けた願望であったとしても、封印を解いたのは夫である私なのです。
他人の精液が妻をより美しくするのなら、私はどんな嫉妬や背徳の責苦すら代償として差し出すでしょう。
理想の由香里を手に入れるためなら、私の全てと引き換えにしても悔いなどないのです。
由香里と岩崎は重なり合ったまま、光のように眩い恍惚のひと時が掠れゆく余韻の中に漂っています。
私は静かに襖の敷居を超え、無言のまま二人の傍らに立ちました。硬直して突き立つ自身の肉茎越しに、譫言のように微かな言葉を交わす妻と男を見下ろしたのです。
妻をもっと近くで見たい…
他人の精を注がれた妻の体に触れたい…
それは他人に与えてしまった由香里への未練などではありません。
男によって変わり行く妻の一部始終を… そして私自身の妻に対する想いを確かめたかったのです。
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