私達三人は旅館での朝食を済ませると、他の何処にも寄らずに東京へ帰ることにしました。
岩崎は伊豆の観光を提案しましたが、一夜の出来事を目の当たりにし続けた私は、そのような気持ちにはなれなかったのです。
もちろん、後悔はありませんでした。由香里の私に対する態度がどうであれ、岩崎の精が体の中に染み込んだ彼女は、私の願望と理想を叶えてくれた最愛の妻なのです。
由香里は岩崎の言葉に従うように、車の後ろの席に私と並んで座りました。
彼女は暫く外の景色に虚ろな目を向けていましたが、やがて私にもたれかかりながら眠ってしまったのです。
無言のまま過ぎる時の中で、私は岩崎と二人だけになったような錯覚を感じていました。それは重苦しく、息が詰まりそうな空間に閉じ込められたような感じです。
妻を寝取られた夫と、寝取った他人…
私の中の卑屈な焦燥が、揺れの収まらない心を内側から掻きむしります。
そして目の前に纏わり付くように、幾度も昨夜の光景が蘇りました。
暗がりの中で、襖を開けて立ちすくみながら見つめた由香里と岩崎が交わる姿…
猛り狂う生身の肉茎に貫かれ、眩い快楽に酔いしれながら漏らす妻の喘ぎ声…
私の前で車を運転している岩崎の精は、今こうしている間にも由香里の中に溶け入っているのです。妻の秘部から連なるように滴り落ちた白い精を思い浮かべながら、込み上げる唾液を幾度も飲み込みました。
熱い迸りを受け入れた妻だけでなく、彼女の膣を満たす精液の潤いに包まれながら果ててしまった私までもが、岩崎の支配する一夜に魅せられてしまったのです。
「岩崎さん… 申し訳ありませんが、私達を途中の小田原で降ろして下さい。新幹線で帰りますから…」
それは由香里を彼の側から一刻も早く離したい思いからの言葉でした。
それだけではありません。
私自身が彼の側から逃げ出したかったのです。
「今日、奥様と二人きりになってからも『寝取られ』は続きますよ。 由香里さんは、一度目は私を知らずに抱かれた… だけど二度目は知った上で抱かれた。この違いが分かりますか?」
私は寄り添ったまま眠る由香里の手を握り、ルームミラーに写る岩崎の顔から目を逸らしました。喉に詰まった息を飲み込みながら、早くこの密閉された空間から妻の手を引いて外に出ることだけを考えていたのです。
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