妻とは、心の中ではお互いが岩崎との日を意識しながらも、日常の家庭的な営み… 朝夕の食事や夫婦としての会話は今まで通り繰り返しました。(二人とも、努めてそうしていたのかも知れません)
自らが望み、妻にその願望を告白し、実際の行為とすることを求めながらも、初めての経験に対する不安があることに変わりありません。
初めてへの事への不安…
しかし、それは私がまだ知らない、今の日常の先にある新しい出来事に対する期待の裏返しなのかもしれません。
暗闇の中での不安とは逆の、扉の隙間から中の光が漏れている未知のドアを開けることのような、心の高鳴りを伴う不安なのです。
19才の頃、初めてのセックスを経験した時のことを思い出しました。
相手は当時の彼女で、年齢は私より1才年上、ちょうど20才でした。真面目で清楚な雰囲気の女性に惹かれるのは、この頃からかもしれません。
後で知ったことですが、彼女は私が勝手にいだいた印象とは異なり、既に数人とのセックス経験がありました。
焦りから、なかなか挿入の出来ない私を気遣い、勃起した茎に彼女が手を添え、秘部の奥へと導いてくれたのです。
私の上に重なり、ゆっくりと体を動かしながら、彼女が今までに漏らしたことのない声… 喘ぎの声を聞いた時、私は彼女の中に別のもう一人がいるように思えたのです。
今まで私が目にしていた清楚な彼女と、喘ぎの声を漏しながら身悶える彼女が再び私の中で重なり合った時、言い知れぬ悦楽の極まりを感じました。
僅かな交わりの時の中で、私は恍惚の快楽に浸りながら果てました。体を反らし、私自身も唾液に濡れた喘ぎの声を漏らしながら、脈打つ精を放ち続けたのです。
全てを終え、放心したように仰向けになったままの私の下腹部に彼女が手を伸ばし、生温かい精液で満たされた避妊具の始末をしてくれたとき、彼女が口元に浮かべた微かな笑みが、私が初めて見る大人の女の姿でした。
初めての経験は、未知なるが故に計り知れない程の満たしを私に与えてくれました。
もしかしたら私は、妻を他人へ差し出すことに、それと似た感情を密かに抱いているのかもしれません。
もちろん、この2つは決して比べることが出来るようなものではありません。
一方は誰しもが経験する、恋愛を深め合うための大切な過程の一つ…
もう一方は、決して口にも出来ない、想うことすら禁じられる不貞極まりない願望なのですから。
しかし私にとっては両方とも、未知の中に隠れた新たな悦びを見い出す入り口であるように思えたのです。
当時の彼女が私に見せた、別人のようにも思える淫らな姿…
それを初めて目の当りにした時と同じ悦びを、今になって妻にも求めているのでしょうか。
岩崎からは、既にホテルの予約が済んだとの連絡がありました。
私は約束の日が来るのを、19才だったあの日のように、恋焦がれる想いで待ち続けたのです。
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