岩崎との約束の前日、定時どおりに会社から帰った私は、自宅の最寄り駅で妻と待ち合わせしました。
駅前のスーパーで夕食の材料を選んだり、日用品を買い足したりと、普通の夫婦の時間を今までのように過ごしたのです。
最近は、妻が買い物をする姿を意識して見つめることが少なくなったのかも。結婚して間もない頃は、彼女の買い物姿を眺めるのが好きでした。自分の妻の主婦らしい姿に、彼女と結婚したんだという実感で満ち足りた気分になったのです。
そんなことを思い出すのも、明日の土曜日に迫った約束の日に対する様々な感情が、忘れかけた結婚当時の気持ちを呼び起こしたからかもしれません。
家に帰り、妻が作った夕食を一緒に食べた後は、テレビの前のソファーに並んで座りながら時を過ごしました。
「ね、お風呂沸いたから、あなたから先に入れば」
「なあ… 一緒に入ろうか…」
私と妻は週に1回程、二人で入浴しています。普段は浴室の中でふざけ合ったり、じゃれるように抱き合ったりしながら、一緒にいること自体を楽しんでいたのです。
でも、この日はいつもとは違いました。明日の前に、私はもう一度、明るい中で妻の体の全てを見つめ、両手で彼女の肌を感じたかったのです。胸に秘めた想いの揺れが、私をそうさせたのでしょう。
「じゃあ… 先に入って待ってて…」
妻は、普段とは違う私の奥底を察した上で応じてくれました。彼女も、明日の前に私と特別な時間を過ごしたかったのだと思います。むしろ、何もなく日が変わることが、逆にいたたまれなかったのかも。
私は浴室の中でシャワーを浴びながら、妻を待ちました。
あの日以来、何度も想い描いた場面… 岩崎と妻が重なり合う姿が明日には現実となるのです。
描いた妄想に鼓動が高まり、次第に強張る肉茎が、浴室の大きな鏡に写し出されています。
結婚以来、妻は私の強張りだけを愛し、私の精だけを受け入れてきました。その妻が、明日は他人の茎に愛され、体の奥まで貫かれるのです。
由香里は浴室に入ってすぐ、私の下腹部が既に彼女を欲しがっていることを察しました。
私は立ったままの彼女の肩からシャワーをかけ、体の隅々を湯で濡らしたのです。無数の滴が肌を流れ落ち、体の輪郭を透明な流れが撫で回します。
私は零れ落ちる程のボディソープを手のひらに取り、泡立てるように妻の体に塗りました。
10本の指が白い泡の中で肌を這いずり、彼女の息遣いを徐々に高めていきます。いつしか二人の体は白い滑りで包まれ、お互いを強く抱き締めながら同じ悦びを分け合ったのです。
私にとって浴室での行為は、まるで他人に妻を差し出す前夜の儀式のようなものだったのかも知れません。やがて岩崎が抱く彼女の体を、私自身の手でより艶めかしく、より美しくしたかったのです。
妻の体の虜になり、彼女の淫らな喘ぎの中で性の欲を満たす他人…
妻を抱きしめながら本能のままに体を震わせ、極上の射精に身悶える他人…
それは残酷なまでの嫉妬に満ちながらも、夫としてこの上ない自尊心をかき立てる光景なのです。
妻の体に付いた泡をシャワーで洗い流した後、彼女の片脚を浴槽の淵に乗せました。
互いの体を抱き合うように支えあいながら、立ったままの姿勢で下腹部を重ね合わせたのです。
秘部の奥深くまでを強張りで貫いた瞬間、二人の口から同時に喘ぎの声が漏れました。それは狭い浴室の中で、まるで一つの悶えのように絡み合ったのです。
今夜限りの私だけの妻を愛しながら、体の奥から迸る精の兆しを堪え続けました。少しでも長い時間、そのまま彼女と結ばれていたかったのです。
次第に降りてくる悦楽の極みに震える体を、力が抜けそうな脚で必死に支えました。
「由香里… もう出ちゃう、出ちゃうよ…」
私は妻の顔を見つめながら、哀願するような声で、精を放つ誘惑に堪え切れないことを訴えたのです。
彼女は溶けそうな眼差しで頷いてくれました。
下腹部を妻から離し、狂おしいまでに張りつめた肉茎を秘部から一気に抜き出すと、そのまま彼女の脚に亀頭を押しつけながら、白く濁った粘液を迸らせたのです。
由香里の全てを求めながら、夫の証である飛沫を脈のように浴びせ続けました。妻の脚を、幾筋もの滴りが白い線を描きながら、ゆっくりと流れ落ちます。
妻を濡らす証の跡を眺めながら、至福の快楽が過ぎ去る余韻を味わったのです。
浴室の中で混じり合った二人の荒い息が、次第に静かになってていきました。
私も妻も、今の交わりが「普通の夫婦」として最後のものであることを心のどこかで思いながらも、そのことは口にしませんでした。
浴室での前夜の儀式は、言葉に託せない想いを伝え合うための必然だったのです。
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