私はその夜、眠りと覚醒の合間を何度も行き来しました。
由香里の姿を夢の中で追い、目が覚めては彼女を想うことを幾度も繰り返していたのです。
気が付いたときは、朝の7時を過ぎた頃でした。
熱いシャワーを浴びて乾いた汗を洗い流し、徐々に自分自身を取り戻しました。
濡れた髪を乾かしながら、部屋の電話が鳴るのではと、何度も受話器を見つめたのです。
妻はどんな気持ちで朝を迎えたのだろう…
私が由香里を想うように、彼女も私の姿を夢の中で求めたのだろうか…
それとも、岩崎のことだけしか心の中になかったのだろうか…
無音の電話を見つめながら、様々な感情が駆けめぐり、胸騒ぎに似た焦燥が胸を締め付けます。
何をいまさら…
自分自身に向けたその言葉が、少しずつ私を落ち着かせました。
もちろん、後悔はありませんでした。
むしろ、妻が目の前で他人と交わる姿に対し、歯止めを失う程に魅せられることへの恐れを感じていたのかも知れません。
他人と朝を迎えた妻に会いたい…
会って、彼女の中で私の存在が変わっていないことを確かめたい…
妻からの連絡がないことへの疎外感が、その想いをより強くしたのでしょう。
私は何かに駆り立てられるように身支度を整え、部屋を出ました。
昨日までの由香里を愛しながらも、娼婦のような昨夜の美しさに惹かれながら…
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