その日の夕方、リビングで由香里が作った食事を二人揃って済ませました。お互い、テーブルをはさんで顔を合わせることに、少しの躊躇いがありました。
何か会話をしなくてはとの気の焦りが、逆に二人の口を閉ざしているかのようでした。
気まずさとは別の、無言の空気の重苦しさを互いに感じていたのかも知れません。
妻と向き合いながらの食事の間に、幾度も彼女のあの姿… 全ての肌を他人に晒し、重なり結ばれながら、淫らな喘ぎを漏らす妻の姿が脳裏に蘇えります。
昨夜は由香里をあれほどまでに愛おしく思えた筈なのに、今は息苦しい焦燥の入り混じった嫉妬の感情だけが、止め処なく込み上げてくるのです。
妻を説き伏せ、不貞と背徳に満ちた行為に誘い出しながら、裏切りにも等しい独り善がりの感情が、胸の鼓動とともに次第に大きく広がります。
私はその場から逃れるように食事を済ませると、リビングの窓際にあるソファーに横たわりました。
キッチンで食器を洗う由香里の姿は、貞淑で清楚な良妻の装いに包まれています。
結婚以来、私が彼女に求め続けた姿であることに違いはありません。
それなのに、私は自分の意志でその妻を他人に貸し与え、目の前で交わりの行為を許したのです。
決して後悔はしていませんが、二つの現実に私自身が戸惑いを感じているのは確かかも知れません。
他人に体の奥深くまで貫かれ、身悶えながらそれを受け入れた淫らな妻と、キッチンに立ち食事の片付けをする主婦の妻…
二人の由香里が私の心を揺さぶり、胸奥の鼓動を大きく掻き乱します。
それはまるで、淫らな他人妻と、閉ざされた空間の中で時を過ごしているかのようでした。
私は込み上げる焦燥と嫉妬がもたらす荒れた息遣いを隠し、夫でありながら妻の後ろ姿を疾しい心で視姦したのです。
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