その日、家に着いたのは夜11時頃、妻はちょうど風呂から上がったばかりで、私の遅い帰宅を仕事のためだと思っているようでした。
妻も会社での仕事が忙しかったらしく、出来たての資料の再作成を指示されたりで、大変だったとのこと。
私は彼女を慰めながらも、本当は別のこと… 今日、岩崎と話したことを思い返していたのです。
着替え終わると私もすぐに風呂に入り、汗を洗い流してから先に妻が寝ている寝室に入りました。
布団の中で、ここ最近の行き違いから、することの無かった腕枕を妻にしてあげたのです。
「由香里… 実は… 今日、会ってきたんだ」
「え? 仕事じゃなかったんだ… 誰と? あ、でも… だいたい判った…」
二人で無言のまま、真上の天井を眺めていました。
もしかしたら、私達二人が一緒に見つめた時間の一番長い場所は、寝室の天井かもしれません。
無地の天井は、お互いがそれぞれの想いを映しだすスクリーンのようなものです。
「なあ、由香里… その日の前に… 一度、相手の人に会っておきたい?」
「会わない方が… いいかな…」
「なんで?」
「うまく言えないけど… 相手がどんな人かに関係なく、抱かれるしかない状況でいた方が… まだ気が楽かもしれないから」
私は、妻のこの言葉の奥底に秘められた本当の想いを、はたしてどこまで受け止められたのか自信がありませんでした。今でも時々、この夜のことを思い浮かべますが、妻の真意を完全に理解してはいないのでしょう。
「来週の土曜日… ホテルを予約するから…」
「わかった…」
会話はそこで途絶えてはしまいましたが、それでも、いつになく穏やかな夫婦の時なのかも知れません。
私は、入浴の火照りが残る妻の体を抱き寄せました。
ボディソープの微かな香りが、私の中にくすぶる欲望の火を煽りたてます。今日、岩崎と話した企ての輪郭が露わになったことで、私の中の欲望が悶えを欲しがるようにざわめきだしているのです。
私は生唾を深く飲み込んでから妻の上に覆いかぶさり、唇を彼女の首筋に押し付けました。
もうすぐ岩崎が抱く由香里の体を、残り少ない今のうちに愛せるだけ愛したかったのです。
「ゆ… 由香里…」
言葉は返しませんでしたが、彼女は私の求めを受け入れてくれたのです。
妻の唇に自分の唇を重ね、舌先で弄るように口をこじ開けると、中に深く押し込みました。
唾液で濡れた柔らかな妻の舌は、私の欲望をあやすように絡み付き、纏わりながら一つになっていったのです。
私は早る指先で妻の下着を剥ぎ取り、枕元の灯りに肌の全てを晒しました。
彼女の両脚に手を添え、妻の敏感な反応を確かめながらゆっくりと開いたのです。
薄明かりの中で露わになった秘部は微かな湿りと艶に包まれ、淫らな滴を垂らしながら男の欲を求めるかのようでした。
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